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#067

石川県加賀水引職人
津田 六佑

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加賀水引職人 
津田 六佑

Tuda Rokusuke
1981年 滋賀県生まれ

「加賀水引」は、初代津田左右吉が、それまで平面的だった結納品や祝儀袋の水引細工・折型を、日本で初めて立体的に仕上げたことで誕生した。

六佑さんは、その「加賀水引 津田水引折型」の5代目。幼い頃から「跡を継ぐのが当たり前」という環境の中で育った。大学卒業後は、「水引職人になるための経験」として、IT関連企業に就職し、ウェブデザインなどを学び、2014年9月、4代目のもとに戻り、伝統の技を習得するための日々をスタートさせた。

加賀百万石の文化と歴史を今に伝える町、古都・金沢。

津田六佑さん
インタビュー

加賀水引職人になって

まだ職人としての道を歩きはじめたばかりで覚えることが沢山ですが、充実した日々を送っています。

それも全て「加賀水引」を生み出してくれた初代津田左右吉、そして、その技を絶やすことなく代々受け継いでくれた先代たちのおかげと思っています。

今、こうして「加賀水引」を仕事にできていることに、感謝の気持ちしかありません。

「加賀水引」は、縁起物ですから、自分が携わる作品で、ほんの少しでも誰かが笑顔になってくれればと思います。この気持ちを忘れずに、技術を学んでいこうと思います。

津田さんがデザインした水引の箸置き。
紅白に梅の花をあしらい、もてなしの心が込められている

どんな水引を作りたいですか?

津田水引折型の祝儀袋は、「檀紙だんし」という手漉き和紙を使っていて、手に取った瞬間、紙の温かみを感じることができます。そこに、水引を結ぶ。温かみがあり、優しい、体温みたいなものが伝わるものを作りたいと思います。

水引は、しきたりや礼儀、マナーなど、堅苦しいイメージがありますが、そんなことはありません。日本で古くから使われてきた「ラッピング」です。

「相手を大切に思う心」、「敬う心」が一番大切なことですから、自分が結んだ水引で、ほんの少しでも、気持ちを伝えるお手伝いができればと思っています。

そして、日本人の心、金沢の美しい心を伝えていきたいと思います。

「にらみ鯛」の制作に挑む。

師匠 4代目津田宏さん
インタビュー

弟子 六佑さんは、どんな職人ですか?

幼い頃から「跡を継ごう」という気持ちがどこかにあったと思います。彼の仕事に取り組む姿勢を見ていればわかります。

ただ、職人の道は険しいです。水引の技術は、何度も失敗を重ねて体で覚えるしかありません。技を覚えれば無意識のうちに指先が動くものなので、無意識に指先が動くようになれば本物でしょう。

加賀水引というのは、「和紙で贈り物を包み」、「水引を結び」、「相手に気持ちを伝える書をしたためる」。これが全て揃って加賀水引なんです。

一生懸命に技を覚えることももちろん大切ですが、水引本来の「相手に気持ちを伝える」ということを忘れずに、次の世代に伝えていってもらえればうれしいです。

弟子 津田 六佑さん
弟子
津田 六佑さん
4代目津田宏さん
師匠
4代目津田宏さん

取材を終えて

水引職人の道を歩き出したばかりの津田さん。家では「超」がつくほど親バカな新米パパ。

愛娘の名前は「小ノ葉このはちゃん」。日本人の美しい心にちなんで命名したとのこと。

古くから贈り物をする際、「松の葉」という文字を添えることがあり、「細い松の葉にも隠れるほど小さく、ささやかな物です」という意味があるそうです。

小ノ葉ちゃんは、文字通り「控え目な小さい葉」。

日本人らしい謙虚な心遣いを常に忘れないで欲しい、という思いを込めたそうです。

優しい笑顔で愛娘の話をする津田さん。彼の作品から優しさが伝わってくるのは、その人柄と、水引に込めた思いが詰まっているからなのでしょう。

加賀水引

加賀水引

加賀百万石の雅が息づく金沢の水引「加賀水引」は、現在、全国へと広まった立体的な水引の発祥。初代津田左右吉が、それまでの平面的だった 結納品や祝儀袋の水引細工・折型を、立体的に仕上げたことで誕生した。

贈り物を和紙で立体的に包み、水引を結び、美しい書をしたためる、加賀百万石らしい美しく豪華絢爛な梱包技術を総称したものが「加賀水引」である。

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