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刀鍛冶
羽岡 慎仁

Haoka Makoto
1989年 東京都生まれ

人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公(両津勘吉)が日本刀作りに励むシーンが、幼心に印象的だった羽岡さん。高校生の時、テレビ放送で日本刀鍛錬道場がすぐ近所にあることを知る。居ても立ってもいられず直接道場へ向かい、そこで将来の師匠・吉原義人氏と運命の出会いを果たす。義人師匠の元で5年間修業を積み、文化庁主催の「美術刀剣刀匠技術保存研修会」を修了し、刀鍛冶となった。その後7年間アルバイトを続けながら義人師匠の元へ通い、精進を重ねている。

刀鍛冶の醍醐味である「火造り」
手槌一本で打ち出し、削ったような仕上がりを目指す。一鍛一鍛に魂を込める。

羽岡 慎仁さん インタビュー
今後の目標は?

義人師匠、義一師匠みたいな刀鍛冶になりたいです。
日本刀は作る人の人間性が現れると思います。師匠方の作られる日本刀は本当にカッコいいと思います。姿はもちろん刃文も元から先までピシッと美しく、誰が見てもすごいと感じると思います。そういう日本刀を作れるようになりたいです。
自分が成長することで自分の作る日本刀も成長すると信じて、これからも一生懸命頑張っていきたいと思います。

山野 達人

Yamano Tatsuto
1995年 神奈川県生まれ

鍛冶屋さんになりたくて この道を目指した山野さん。剣や刀に興味を持ち義人師匠の門を叩く。その時、義人師匠に「高校は卒業してこい」と言われ卒業してすぐに入門した。

将来の夢・目標

この仕事を通じて外国の方と交流がしたいです。外国の方で日本を好きな方ってめちゃくちゃ詳しいじゃないですか。そういう人に実際に刀を手に持ってもらって、良さを分かってもらいたいです。

辻村 圭

Tsujimura Kei
1990年 静岡県生まれ

中学生の時に展覧会で本物の刀を初めて見て衝撃を受けた辻村さんは、将来、刀鍛冶になることを決意。専門学校を卒業後この道へ進んだ。

将来の夢・目標

自分がこの道を志したきっかけでもある、見てくれる方に感動を与えることができるような日本刀を作りたいと思います。

加藤 拓人

Katou Takuto
1998年 岐阜県生まれ

刃物の町 関市に近く、「刃物まつり」等で展示されていた日本刀を目にする機会が多くあり、次第に将来は日本刀を作れるようになりたいと思うようになっていった。

将来の夢・目標

来年、文化庁主催「美術刀剣刀匠技術保存研修会」を受けて合格して、刀鍛冶になることが第一目標です。その先は、できれば世界で通用する刀鍛冶になりたいです。

吉原 慧

Yoshihara Akira
2000年 東京都生まれ

刀匠 吉原義人氏の孫、刀匠 吉原義一氏の息子として生まれ、幼い頃より日本刀に囲まれて暮らすが、父 義一氏からは無理に家業を継ぐ必要は無いと言われていた。

将来の夢・目標は

中学生の頃、父親の作る日本刀の華やかな刃文に魅せられました。それまでは小さかったですし、日本刀は家に普通にあるものだったので気付くことができませんでした。
まずは刀鍛冶になること。そして将来は、僕の父親が作った日本刀のような刀を作ることが大きな夢です。

焼き入れ前に土置きを行う。
粘土に炭と砥石の粉を混ぜた焼刃土を塗り刃文をコントロールする。
師匠が得意としてきた丁子乱れを表現する。

師匠
吉原義人さん インタビュー

丁子乱れの刃文とは?

丁子の実が連なったような華やかな刃文です。頭が丸くふくよかで腰が窄まっている丁子が大小ずっと続いている。そのような形に焼刃を作るっていうのは、えらいことなの。一番良い温度まで高めて、温度の下がり方を調整するために自分の思い描く刃文になるように焼刃土を塗ってゆくのは大変なこと。若いときに出会いがあって、面白いし、綺麗だし、見どころがあるから好きになっちゃったんだよね。

取材を終えて

古より受け継がれた刀鍛冶の技と魂によって生み出される日本刀。それにかける彼らの思いをお伝えするため「前編」・「後編」の2回に分けてお届けすることになりました。
アルバイトを続けながら「研ぎ」の費用を工面して賞に出展する者。作刀承認を得るために日々研鑽を積む者。壁を打ち破るために、もがきながらも前へ進む者。羽岡さんをはじめ、義人師匠の元で日々頑張る5人のお弟子さんたちそれぞれの「明日への扉」に触れることができて、とても熱い鉄塊のようなものを胸に感じることができました。コロナ禍のこのような時だからこそ何かに集中して頑張り続けることの美しさ、大切さに改めて気付かされた思いです。
日本刀は鍛錬の積み重ねによってのみ生まれる。手鎚一つ、魂を込めた火造りにより打ち出される「姿」。綿密な準備と繊細な見極めによって現れる「刃文」。刀鍛冶によって一振の美しい日本刀が生みだされるまでの道のりを少しでも感じていただけたら幸いです。

日本刀

日本刀

日本固有の鍛治・鍛錬法で作られた刀剣類の総称。その方法とはおおよそ、原料に玉鋼たまはがねを用い芯まで加熱しては叩き延ばしそれを折り曲げてはまた叩き伸ばす「折り返し鍛錬」を幾度も重ねて鍛え上げた、硬い皮鉄かわがねと柔らかい芯鉄しんがねという2種類の鉄を用いて鍛造すること。そして焼入れによって強靭な刃をあたえることをいう。
「日本刀」という呼称は、北宗(古い中国の王朝)の詩人である欧陽脩おうようしゅうの「日本刀歌」に見られる。この詩の中で当時の中国では、すでに日本刀が宝刀として尊ばれていたことが記されている。
平安時代後期から鎌倉時代初期の頃より日本刀は海外で認められ日本から輸出されていたことを示している。今も日本刀は伝統を受け継ぐ刀鍛冶たちの手により美術刀剣として美しく鍛え続けられている。

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